くわえタバコの似合う男
最近はこの人のことばかり考えている。
悪人じゃないです、ポール・ヘニングセンです。
右手前にあるランプ、PHランプシリーズの産みの親、デンマーク人のデザイナー。
10月に彼の展示会を開催するので、その準備を手伝っているのですが、ついこの顔のインパクトの強さに見入ってしまう。早く図面書かなきゃ。
彼のすごいところは、ランプをデザインする時に、形のバランスとかきれいさとかなんてほんとどうでもよくて、
「いかにグレア(光源のまぶしさ)を出さず、効率よく部屋の光環境を整えられるか?」
だけを40年間ずっと考え続けたところにあると思う。
器具を分解して細かく見てみると、執拗なまでにグレアを防止する仕掛けを満載している。
仕事で、とかなんかじゃない、同じ器具のヴァリエーションばっかり増やしてる、完全なるマニアです。
その結果、今ではオシャレカフェとか、素敵ダイニングとかに、かっこいいよねーって吊るされてる訳です。
そんなつもりはなかった、オレはもっと硬派だ、吊るしたいんだったら器具の光学原理を知ってくれ、とマニア心をさらけだしたはず、生きてれば。
批評家の仕事もしていて、すごい皮肉屋さんでも有名だったらしく、いろんな暴言を吐いて周りを困らせてたらしい。
「白熱電球をクリームに例えるなら、蛍光灯はスキムミルクだ!」
あ、彼はきっとコーヒーをブラックで飲まないんですね、ここはちょっと分かり合えませんでしたが。
ともかく一本芯の通った骨のある男です、ステキ。
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