八束はじめとオットー・ノイラート
建築家の八束はじめさんの講演会に行ってきた。
八束さんは研究の幅が広くて、城塞都市に端を発する都市リサーチ、ロシアアバンギャルド、そして視覚言語分野まで詳しい。
違う分野の本読んでたつもりなのに、あっまた八束さんが、ってことがあったので、ずっと気になっていた。あとなんでかよくわからないけど、ラーメンの小池さんに似てる人だと思い込んでた。
大学内で開催している展覧会「世界の表象:オットー・ノイラートとその時代」展の記念講演。
オットー・ノイラートがどういう人かというと、1930年代のウィーンで、字の読めない労働者階級にも分かるように、とアイソタイプ(=国際図像言語)を作った社会学者。
ノイラートのまたすごいのは、その時代に新しいミュージアムのあり方を提言した事。
美術品を飾る場所としてではなく、社会を啓蒙し変化するための道具である、と言い切り、自ら博物館を作ってしまった。
近代建築についても、同時代にもてはやされていたコルビュジェらスター建築家に、一般大衆が住む家にどうして目をむけないのか?と批判し続けた。
ノイラートの揺るぎのない目線、かっこいい。
八束さん自身は建築家だから、今なお一般大衆に目を向けない建築界の姿勢について、矛盾を抱えつつも作らなくてはならない立場の人。
だからこそ自己弁明として、ノイラートの研究をしたり、興味を持っているのかもしれないと話されていた。とても誠実な方だと思う。
それに男前で歯が出てなくて、ちっとも小池さんじゃなかった。
「ヤツカ」と読むのだけど、たぶんツとかカの語気が強くて歯っぽいからだ。
私の脳内変換は普段からズレがちなのだが、こういうくだらない連鎖でできている、かなしい。
話を戻して、ノイラートとともに紹介されていたポール・オトレも面白い。
彼は、世界の知を検索化するという、妄想?に取り憑かれて、その構想を空間化しようと考えた。活字時代にワールドワイドウェブの考え方をしていた人、ほんとすごい。
あとなにがよかったかって、展示会のカタログが異様に安い事です。
図表や地図がいっぱいで、1000円です(学生は更に安く500円)
紙質悪くないです、本のサイズも大きいです。
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コメント
シュテキ。
投稿: mayumi | 2007.09.29 03:23
そう、シュテキ。
あそうだ、mayumiちゃんにカタログプレゼントするよー。
こないだのコーヒーのお礼に。
というか良い本です、薦めたい。
投稿: kimi | 2007.09.29 08:39
ワーイ!ありがとう!!ぜひ見たいです。
投稿: mayumi | 2007.09.30 15:35